エル歯科クリニック千里丘

矯正治療は大きく分けて以下の2種類があります。

・マウスピース矯正（インビザラインなど）

・ワイヤー矯正

どちらも装置で力をかけて歯を動かし、歯並びを整える点は同じです。歯並びを整える点は同じですが、両者には歯にかける力の強さや対応できる症例に違いが存在します。

今回は「マウスピース矯正とワイヤー矯正の違い」についてご説明いたします。

■マウスピース矯正の歯の動かし方の特徴

◎マウスピース矯正は歯にかける力がマイルドなため、「傾斜移動」を中心に歯並びを整えます

インビザラインなど、マウスピース矯正はマウスピースを歯に装着して歯並びを整えます。

金属製のワイヤーで強く歯を締めるワイヤー矯正と比べ、やわらかいマウスピースを用いるマウスピース矯正は歯にかける力（矯正力）がマイルドです（※1）。

矯正力がマイルドなため、マウスピース矯正では歯ぐきから上の歯の部分である歯冠（しかん）を傾ける「傾斜移動」を中心に歯を動かして歯並びを整えます。マウスピース矯正では歯根ごと平行に歯を動かす「歯体移動（したいいどう）」は原則として行えません（※2）。

（※1）クリアコレクトなど、比較的硬めの素材で作られた

マウスピースを用いる矯正ブランドも存在します。

（※2）インビザラインはアタッチメントを

用いることで歯体移動を行えます。

■ワイヤー矯正の歯の動かし方の特徴

◎ワイヤー矯正は歯にかける力が強く、「歯体移動」を行えます

ワイヤー矯正は歯の表面にブラケット装置を接着し、ブラケットの中に通した金属製のワイヤーでぎゅっと強く歯を締めて歯並びを整えます。

金属製のワイヤーで強く歯を締めるため、ワイヤー矯正は歯にかける力が強いです。

矯正力が強いため、ワイヤー矯正は歯根ごと歯を平行に動かす「歯体移動」を行えます。歯体移動のほか、傾斜移動も可能です。

■対応できる歯並びの乱れの違い

◎マウスピース矯正は重度の歯並びの乱れには対応できないことも

マウスピース矯正は歯を動かす力がマイルドなため、歯根ごと平行に大きく歯を動かす（＝歯体移動）必要がある重度の歯並びの乱れには対応できないことがあります。

抜歯をしてスペースを作り、歯根ごと平行に大きく歯を動かす必要がある重度の出っ歯、重度の受け口、重度の叢生などはマウスピース矯正では効率的に歯を動かせない可能性も。

｛インビザラインは軽度～重度の歯並びの乱れに幅広く対応できます｝

一般的なマウスピース矯正ブランドは歯を大きく動かす必要がある重度の歯並びの乱れには対応できないことが多いです。

一方、インビザラインは軽度～重度の歯並びの乱れに幅広く対応できます。

インビザラインが軽度～重度の歯並びの乱れに対応できる理由

・独自技術「アタッチメント」で矯正力をUP

インビザラインの独自技術にはアタッチメントがあります。アタッチメントとは、樹脂製のポッチ（凸）を歯の表面に接着し、マウスピースに窪み（凹）を作ってポッチと窪みを合わせ、歯を動かす力をUPする技術です。

アタッチメントを用いることで矯正力がUPするため、インビザラインは歯体移動が必要な重度の歯並びの乱れに対応できます（※）。

（※）アタッチメントで動かせる歯の距離（歯体移動の距離）には限りがあります。

多くの歯を抜く必要がある抜歯矯正など、歯を動かす距離が大きい場合はインビザ

ライン（アタッチメントを含む）では効率的に矯正を行えないケースがあります。

・アタッチメントにより、さまざまな歯の動きに対応可能

アタッチメントを用いることで矯正力がUPするほか、以下のような複雑な歯の動きを行えるようになります。

・舌側に歯を引っ張り出す「挺出（ていしゅつ）」

・歯ぐき側に歯を押し下げる「圧下（あっか）」

・歯を回転させる「回転（かいてん）」

アタッチメントの付与により挺出や圧下、回転を行えるインビザライン。インビザラインならではの特徴としては、ワイヤー矯正では難しい開咬（かいこう：オープンマウス）などの治療が得意、という点が挙げられます。

上下の前歯が閉じられない開咬はかつては矯正治療における代表的な難症例でした。舌側に歯を引っ張り出す挺出、および、歯ぐき側に歯を押し下げる圧下はワイヤー矯正の苦手な動きであり、重度の開咬の治療は困難だったのです。

インビザライン、そして、独自技術であるアタッチメントの登場により、難症例だった開咬もマウスピース矯正で治しやすくなりました（※）。

（※）開咬の治療を得意とするのはインビザラインなど、ごく限られた

マウスピース矯正ブランドのみです。すべてのマウスピース矯正

ブランドが開咬の治療を得意とする訳ではありません。

◎ワイヤー矯正は軽度～重度の歯並びの乱れに対応できます

ワイヤー矯正は歯を動かす力が強く歯体移動を行えるため、軽度～重度の歯並びの乱れに対応できます。抜歯をしてスペースを作り、歯根ごと平行に大きく歯を動かす必要がある重度の出っ歯、重度の受け口、重度の叢生などもワイヤー矯正であれば対応可能です。

｛開咬など、挺出や圧下が必要な症例はインビザラインの方がスムーズに治療を行える場合も｝

矯正力が強く、さまざまな歯並びの乱れに幅広く対応できるワイヤー矯正ですが、挺出や圧下など、歯の動かし方によってはインビザラインの方がスムーズに治療を行える場合があります。

【矯正方法・矯正のクリニック選びでお困りの方はお気軽にご相談ください】

エル歯科クリニック千里丘ではインビザライン認定医によるインビザライン矯正を行っています。

インビザライン認定医とは、インビザラインの治療経験が豊富な歯科医師に与えられる認定制度です。マウスピースを用いた目立ちにくい矯正治療をご希望の方はお気軽にご相談ください。

当院はワイヤー矯正にも対応しております。カウンセリングでは歯科医師が患者様のお悩み・ご希望をじっくりとお伺いした上で、お1人お1人に適した治療方法をご提案させていただきます。