インビザラインでは矯正を開始する前に精密検査を行います。精密検査によって患者様ごとに異なる歯並びや顎の形を詳細に把握し、お1人お1人の方に適した治療計画を立てていきます。
今回は「インビザラインの精密検査で行うこと」についてご説明します。
目次
■インビザラインの精密検査
インビザラインの精密検査では、各種の撮影機器を使って患者様の歯や顎の形を確認します。画像確認に加え、必要がある場合は顎の機能や噛み合わせを確かめるための機能的検査も併せて行います。
精密検査の所要時間は30~60分程度です(※)。
(※)患者様や症状によって検査時間が異なります。
①お口の健康チェック
歯科医師による目視やレントゲンを用い、お口の健康チェックを行います。むし歯・歯周病が見つかった場合は患者様のご同意を得た上で治療を進めていきます。
むし歯・歯周病の治療は矯正前に行います。
②口腔内・お顔の写真撮影
口腔内撮影用カメラを使ってお口の中をさまざまな角度から撮影し、歯並びを確認します。口腔内撮影に加え、お顔の写真撮影も行います。
お顔の写真撮影では以下の3枚の写真を撮り、笑ったときや口を開けたときの歯並びの見え方、お顔や顎にゆがみがないかを確認します。
・お口を閉じた正面のお顔
・お口を開けて笑った正面のお顔
・お口を閉じた横顔
③パノラマレントゲン撮影
パノラマレントゲンとは、お口を正面から横長に撮影するレントゲンです。パノラマレントゲンで撮影することで歯の位置と歯根の状態、顎の形の概容を確認できます。
④セファロレントゲン撮影
セファロレントゲン(セファログラム)とは、お顔の位置を数値化して撮影できる矯正用の特殊なレントゲンです。セファロレントゲンでは主に横顔を撮影し(正面も撮影します)、歯の傾きや顎の位置、おでこ、鼻、唇などの位置を数値化して確認します。
セファロレントゲンを用いることで矯正でどのように歯が動いたか、顎の位置はどう変化したかを経時的(タイムラプス)に確認でき、歯並びだけではなくお顔全体のパーツの位置を考慮した矯正を進められます。
⑤CT撮影
歯科用CTとは、お口周りを立体的に撮影できる精密機器です。CTで撮影することで複雑な歯根の形や顎の骨の中を通る神経、血管の位置を3D画像(縦・横・奥行き)で確認できます。
矯正では装置で力をかけて歯を移動させます。安全・正確に治療を行うには患者様によって異なる歯根や神経、血管の位置を詳細に把握しておくことが大切です。パノラマレントゲンに加え、CTによる精密検査を行うことで矯正の安全性を高められ、精度の高い治療計画の立案につながります。
⑥口腔内スキャン
口腔内スキャンとは、お口の中を撮影できる小型のデジタル機器です。インビザラインではiTero(アイテロ)というデジタルスキャナーを用いてお口の中を撮影し、患者様の歯型を採取します。
口腔内スキャンでは歯並びや歯の形を数分程度の短時間で撮影します。シリコンや石膏を用いたアナログ式の歯型取りは行わないため、従来の矯正と比べてストレスが軽減されます。
⑦クリンチェックによる矯正のシミュレーション、治療計画の立案
画像撮影で得られたデータを基にクリンチェックを用いて矯正前のシミュレーションを行い、治療計画を立案します。
{その日のうちに仕上がりの歯並びを確認できます}
クリンチェックとは、インビザラインが開発した独自の3Dシミュレーションアプリです。
クリンチェックは矯正中の歯の動き方や仕上がりの歯並びのシミュレーション結果を3D画像で確認できます。精密検査をしたその日のうちに歯が動く様子を患者様が目で見て確認できるため、「こんな風に歯が動くんだ」と理想の歯並びに近づく矯正の流れをイメージしやすくなります。
矯正前のクリンチェックで歯の動き方を確認いただく際、もし、仕上がりの歯並びにご納得できない場合は矯正を受けなくてもOKです。
従来のアナログ式のワイヤー矯正では矯正中の歯の動き方や仕上がりの歯並びを確認することができません。フルデジタル式のインビザラインならではのクリンチェックで矯正前のシミュレーションを行うことで、矯正を受けるかどうかを患者様ご自身の目で見て判断できる点がインビザラインの大きな特徴です。
精密検査で撮影した画像データをインビザラインの本社にオンラインで送信し、約2週間~1ケ月後に最終的な治療計画がクリニックに送られてきます。インビザライン本社が作成した治療計画に歯科医師が修正を加え、患者様に治療計画をお伝えしてご同意を得た後にインビザラインによるマウスピース矯正を開始します。
(必要がある場合)噛み合わせや顎の機能のチェック
歯根の形や伸び方・歯槽骨の形・顎の位置や顎関節に異常が見られる場合は噛み合わせ、および、顎の機能のチェックを行います。
機能のチェックでは筋電図、咬合器などを用いて噛み合わせや顎のずれ、顎の動き方を確認します。
■アナログ式の矯正と比べ、インビザラインは精密検査~矯正開始までにかかる手間と時間を省略・短縮できます
◎効率性が高いフルデジタル式矯正で患者様の精神的・肉体的負担を軽減
アナログ式の矯正(従来のワイヤー矯正、工程にアナログ式が残るインビザライン以外のマウスピース矯正)はシリコンや石膏による歯型取り、石膏模型の作製、模型を船便や航空便で海外に輸送、など、精密検査~矯正開始までに多くの手間と時間がかかります。
デジタルスキャンによる短時間の歯型取り、石膏模型は作製せずにクリンチェックによる矯正シミュレーションを行うなど、フルデジタル式のインビザラインは効率性が高いマウスピース矯正です。人の手が介する工程を極力減らして効率性を高めることで精密検査~矯正開始までにかかる手間と時間が省略・短縮されるため、患者様の精神的・肉体的負担の軽減につながります。
効率性が高い検査・治療を受けたい方、歯型取りの感触が苦手な方、ご自身の目で歯の動き方や仕上がりの歯並びの様子(シミュレーション結果)を確認したい方はインビザラインをおすすめします。
【歯並びの乱れでお悩みの方はお気軽にご相談ください】
エル歯科クリニック千里丘では矯正の無料相談を実施中です。
カウンセリングではインビザライン認定のプラチナエリートドクター、および、日本顎咬合学会の認定医の資格を持つ歯科医師が現在のお悩みやご希望をお伺いし、それぞれの患者様に合った矯正方法をご提案いたします。
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