歯並びを乱れさせる主な原因には「遺伝」と「悪い癖」があります。ただし、遺伝による歯並びの乱れは少なく、歯並びの乱れのほとんどは子どもの頃の悪い癖によってひき起こされると考えられています(または遺伝+悪い癖)。
お子さまに以下のような癖があると歯並びの乱れや顎の成長不全が起きる可能性があるため、注意が必要です。
・口呼吸
・舌癖(ぜつへき:舌で前歯の裏側を押す、上下の前歯のあいだに舌を出すなど)
・指しゃぶり
・頬杖
お子さまに上記のような悪い癖がある、または、歯並びの乱れや顎の骨格異常が見られる場合は「マイオブレース矯正」を受けることをおすすめします。
今回は、5~9歳頃の小さなお子さまを対象にした小児矯正「マイオブレース矯正」をご紹介させていただきます。
目次
■マイオブレース矯正とは
◎マイオブレース矯正は歯並びを乱れさせる原因の根本的改善にアプローチします
口呼吸や舌癖、指しゃぶりなど、お子さまに悪い癖があると舌の位置に異常が生じたりお口周りの筋肉バランスが崩れてしまい、顎が発達不全(顎の骨が十分に育たず顎が小さいまま成長する、顎の位置がずれるなど)を起こして歯並びが乱れやすくなります。
歯並びを乱れさせる原因となる悪い癖をやめさせて正しいお口の使い方を身につけさせることで舌の位置やお口周りの筋肉バランスを正常化し、お子さまの顎の正しい成長をうながすのがマイオブレース矯正の目的です。
{顎の正しい成長をうながし、将来の綺麗な歯並びにつなげます}
マイオブレース矯正はお子さまの顎の正しい成長をうながし、顎の骨格を適切に広げることを目指して治療を行います。
顎の骨格を適切に広げることで永久歯がまっすぐ生えてくるスペースを確保し、将来の綺麗な歯並びにつなげます。適切な顎の成長によってお顔全体のバランスが整う効果も期待できます。
■マイオブレース矯正と通常の矯正治療の違い
◎通常の矯正治療は歯並びが後戻りすることがあります
ワイヤー矯正やマウスピース矯正(インビザライン)などの通常の矯正治療では矯正装置で歯に力をかけ、歯並びを整えます。
通常の矯正では適切な治療を行えば歯並びは整えられます。ただし、口呼吸や舌癖などの悪い癖が治っていないとアンバランスな力が歯にかかってしまい、整えた歯並びが元の位置に後戻りする可能性があります。
{マイオブレース矯正は後戻りしにくい矯正方法です}
マイオブレース矯正は歯並びを乱れさせる原因(悪い癖、誤ったお口の使い方)の根本的改善にアプローチする小児矯正です。通常の矯正のように装置で力をかけて歯を動かす治療は行いません。
マイオブレース矯正ではお口周りの筋肉トレーニングやマウスピースの装着により、口呼吸、舌癖などの悪い癖をやめさせて正しいお口の使い方を身につけることで歯並びを乱れさせる原因の根本的改善を目指します。
マイオブレース矯正によってお子さまの顎の骨格が適切に広がると、生え変わりの際に永久歯がまっすぐ生えやすくなります。顎に十分なスペースがある状態で永久歯がまっすぐ生えることで歯にかかる力の均等化につながるため、アンバランスな力(口呼吸や舌癖、顎が小さいなど)よって生じる矯正後の後戻りが起きにくいです。
■マイオブレース矯正の目的
◎お子さまの顎の正しい成長をうながす治療を行います
マイオブレースは顎の骨格が未成熟でやわらかい5~9歳頃のお子さまが対象です。お子さまの顎の骨格が未成熟でやわらかい時期に、マイオブレース矯正によって顎の正しい成長をうながす治療を行います。
<マイオブレース矯正の目的>
①顎の正しい成長をうながす
②食事、会話以外はお口を閉じて鼻呼吸する
③正しいお口の使い方(正しく飲む、正しく噛む)を身につける
④舌の位置を正常化する
⑤歯並びを乱れさせる悪い癖(口呼吸、舌癖、指しゃぶり、頬杖など)を改善する
■マイオブレース矯正で行うこと
マイオブレース矯正は以下の2つを行うことで「舌位置の正常化」「お口の正しい使い方を身につける」を目指し、お子さまの顎の正しい成長をうながしていきます。
・アクティビティ(お口周りの筋肉トレーニング)
・マウスピースの装着
・アクティビティ(お口周りの筋肉トレーニング)
アクティビティとは、マウスピース(トレーナー)などの器具を使って行うお口周りの筋肉トレーニングです。
マウスピースや割りばしなど、さまざまな器具を使って舌・のどなどのお口周りの筋肉トレーニングをご自宅で行います。アクティビティは1日2回、1回数分程度です。お口周りの筋トレのほか、バランスボールを使って全身の筋肉を鍛えるメニューもあります。
・マウスピースの装着
アクティビティに加え、マイオブレース矯正では日中1時間程度+就寝中にお子さまにマウスピースを装着していただきます。マウスピースの装着により、舌の位置の正常化(※)を目指します。
(※)お口を閉じたときに舌の先端が上の中央の前歯のつけ根
(=スポット:歯の裏側と歯ぐきとの境目あたり)に
軽く触れ、舌全体が上顎に吸いつけられている
状態が正しい舌の位置とされています。
■マイオブレース矯正の治療期間
◎治療期間は1~2年半程度
マイオブレース矯正の治療期間は平均で1~2年半程度です(※)。
(※)お子さまの歯並びや顎の状態、治療の
進捗状況により期間が異なります。
◎マイオブレース矯正により、1期治療のみで歯並びを整えられるケースも
矯正においては、顎の骨の成長をうながしたり歯列を広げる治療のことを「咬合誘導(こうごうゆうどう)」と呼びます。マイオブレース矯正は咬合誘導です。小児矯正では1期治療(3~12歳頃)で咬合誘導を行います(9歳頃までに開始するのが望ましいです)。
お子さまの歯並びの乱れ方や顎の状態、悪い癖の有無などの個人差はありますが、マイオブレース矯正により1期治療のみで歯並びを整えられるケースもあります(※)。
(※)一例です。マイオブレース矯正が100%、歯並びを
整えられることを保証するものではありません。
マイオブレース矯正後、歯並びを改善する必要性がある場合はワイヤー矯正やマウスピース矯正(インビザライン)による2期治療(12歳頃~)を行い、お子さまの歯並びを整えていきます(2期治療を受けるかどうかは保護者様、お子さまにご判断いただく形となります)。
◎マイオブレース矯正で成果が得られている場合は2期治療の期間を短縮しやすいです
マイオブレース矯正を行ったお子さまが舌位置やお口の筋肉バランスの正常化、および、顎の正しい成長を得られている場合は2期治療にかかる期間を短縮しやすいです。2期治療から矯正を始めたケースよりも短期間で矯正を終えられる可能性があります(※)。
(※)お子さまの歯並びや顎の状態、治療の進捗状況に
より2期治療にかかる期間が異なります。
【お子さまの歯並びの乱れや悪い癖でお困りの方はお気軽にご相談ください】
マイオブレース矯正はお子さまの顎が未成熟でやわらかい5~9歳頃の時期にしか行えません。10歳前後になって犬歯の永久歯が生えてくると顎の骨格が固まり始めるため、顎の成長をうながすマイオブレース矯正は難しくなります(※)。
(※)マイオブレース矯正の適応年齢は個人差があります。
詳しくは歯科医師までお尋ねください。
「ウチの子、歯並びが乱れている気がする」
「小学校の歯科健診で歯並びの乱れを指摘された」
「いつもポカンと口を開けている」
など、お子さまの歯並びの乱れや悪い癖でお困りの方はエル歯科クリニック千里丘までお気軽にご相談ください。相談費は無料です。ご予約はお電話・WEBのほか、LINEからも受け付けております。
カウンセリングではお子さまの歯並びや顎の状態、悪い癖の有無を確認し、お1人お1人に合った治療方法をご提案させていただきます。